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<Author: 王維>
<Title: 老將行>
<Format: 樂府詩>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 老将行>
<BookPage: 109>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
少年十五二十時，
步行奪得胡馬射。
射殺中山白額虎，
肯數鄴下黃鬚兒。
一身轉戰三千里，
一劒曾當百萬師。
漢兵奮迅如霹靂，
虜騎崩騰畏蒺藜。
衞青不敗由天幸，
李廣無功緣數奇。
自從棄置便衰朽，
世事磋跎成白首。
昔時飛箭無全目，
今日垂楊生左肘。
路傍時賣故侯瓜，
門前學種先生柳。
蒼茫古木連窮巷，
寥落寒山對虛牖。
誓令疏勒出飛泉，
不似潁川空使酒。
賀蘭山下陣如雲，
羽檄交馳日夕聞。
節使三河募年少，
詔書五道出將軍。
試拂鐵衣如雪色，
聊持寶劒動星文。
願得燕弓射天將，
恥令越甲鳴吳軍。
莫嫌舊日雲中守，
猶堪一戰取功勳。
<End Poem>
<Translation>
若年の十五歳か二十歳の時から、漢の李広将軍のように徒歩で匈奴の馬を奪い
取って乗るほどの武勇を示した。また、ある時は、晋の周処のように山中でひたいの毛の白い虎を射殺するなどした。三国魏の鄴の黃鬚児任城王曹彰など、どうして問題になろうか。ものの数ではないほどだった。わが身一つで各地を転戦すること三千里。ただひとふりの刀剣で、往時、百万の敵の大軍に当たったものだ。率いる漢兵の奮い立つ勢いのすさまじさは、激しく鳴り響く雷鳴のようであり、蛮族の敵の騎兵は浮き足だって逃走して、蒺藜武具の備えにかかるのを恐れるありさまだった。前漢の武将衛青が敗軍の将とならなかったのは、天の助けによるものであり、同じく前漢の名将李広が武功をあげられなかったのは不運であったからにすぎない。老将はその前者に似ることなく、後者に似ている。

棄てて用いられず僻地にとどめ置かれてから、そこでそのまま老い衰え、世の中の事柄はすべて思うにまかせず不遇なままに、白髪の身となってしまった。少壮の昔は、発する矢によって、雀の一方の目を射たという弓の名人羿にも比すべき腕前を示したのに、今は、左のひじにできものができている衰えよう。そして時には路傍で瓜を売って生活したという故侯秦の東陵侯邵平にならい、また院淵明先生にならって、門前に柳を植えて閑居してみるのである。果てしなく広がる古い樹木が、この貧しくむさくるしい路地に連なっており、木の葉が散ってものさびしく寒々とした山が、ひっそりと人気のないその家の窓に向かいあっている。しかし、それでもなお、後漢の耿恭が疏勃において神に祈って湧き出る泉の水を出させたという故事にあやかろうという意欲を持ち続けており、あの漢代の豪傑である灌夫が穎川において、空しく酒によって気晴らしをした故事に似るものではない。

今ゃ賀蘭山の麓には、陣を張る軍勢が雲のように群がっており、危急のつげぶみが、行きちがい駆けちがって、その馬蹄のひびきが日夜聞こえる。節度使は河束・河内・河南の三河で若者たちを募り、天子の詔書によって五方面に分けて五人の将軍を派遣すると聞く。そこで試みに、わが鉄の甲冑のほこりを払えば、雪の色のようであり、すこしばかり宝剣を手にしてみると、星の模様が動くのが見える。どうかあの強い弓である燕弓を手に入れて敵の大将を射殺したいものであり、春秋時代、斉の雍門子狄が、敵の越の甲兵によってその君主の心を動揺させたことを恥じたようにありたいと思う。どうか、かつて漢の雲中の守将魏尚のようであったこの老将の身をきらってくださるな。まだ一戦して勲功をたてるのにたえられるはずであるから。
<End Translation>